「学校に近い部屋に決めたが、近すぎて友人のたまり場になってしまった」、「自転車で通学すればいいと思って駅から遠い部屋を借りたが、バスもないので雨の日は大変」……などなど、実際に一人暮らしを始めてみると、誰でもひとつやふたつは予期しなかった不満が出てくる。一人暮らし初心者の学生ともなれば、さらに多くの不満をかかえているはずだ。
こうした不満を最小限に抑えるためには、どんなことに気をつければいいのだろう。SUUMOで実施したアンケートをもとに解説していこう。
一人暮らしの部屋を探すとき、誰もがぶち当たるのが「家賃」の壁。人気の駅で、駅から近くて、広くて、新しくて……と希望を挙げていくと、希望の家賃では難しいことが分かる。となると、希望家賃を上げるか、駅からの距離や広さなどの条件を妥協していくか、どちらかしかないというわけだ。
そこで、部屋探しのときに「あきらめた」項目のランキングを見てみよう。
1位 | 築年数 | 27.7% |
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2位 | セキュリティ | 15.2% |
3位 | 面積・広さ | 14.8% |
4位 | 初期費用(礼金・敷金・仲介手数料等) | 14.0% |
5位 | 最寄駅からの時間 | 11.5% |
1位 | 築年数 | 19.0% |
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2位 | 家賃 | 14.3% |
3位 | 初期費用(礼金・敷金・仲介手数料等) | 13.1% |
4位 | 設備・仕様(キッチン・バス・トイレなど) | 12.6% |
5位 | 最寄駅からの時間 | 10.7% |
「部屋探し当初」と「物件を決定する際」で見比べることにより、さまざまなことが分かる。まず、「築年数」は比較的、妥協している人が多いポイントであるということ。築年数がたっていても、室内がリフォーム済みであれば、新築に近い感覚で生活できることもある。
次に分かるのが、「物件を決定する際」になって突然出てきた項目。2位の「家賃」などは顕著な例で、結局、安くて希望条件どおりで、というオイシイ物件などそうそうないと分かったときに、どの条件もあきらめきれず、家賃を上げるしかなかったという人たちのデータだ。
さらに、ランク外から4位に躍り出たのが「設備・仕様(キッチン・バス・トイレなど)」。最初は「キッチンはコンロが2口以上」「バスとトイレは別」「バスは追い焚きできること」などを条件にしていたものの、ほかに妥協できる条件がなく、この部分であきらめざるを得なかったのだろう。
これらのデータの上位にあるものは、妥協する人が多いポイント。どれも妥協できずに迷ったら、これらの項目を検討してみるのもアリだろう。
では反対に、部屋探しで迷ったとき、具体的に何を決め手に選べばいいのだろう。こだわりポイントは人それぞれだが、参考までにみんなの「決め手」を見てみよう。
1位 | バス・トイレ別 | 49.8% |
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2位 | 2階以上 | 27.8% |
3位 | 日当りのよさ | 23.7% |
4位 | 部屋の内観のよさ | 21.7% |
5位 | 駐車場 | 20.5% |
学生向けのワンルームの部屋などでは、部屋の面積をより広くするためにバス・トイレをひとつのユニットにした部屋がよく見られるが、一人暮らしでもこれらのスペースは分けたいというニーズが多い。よって「バス・トイレ別」を決め手に選んだという人がダントツで多い結果となったようだ。
また、「2階以上」はセキュリティの面などから人気。「日当たりのよさ」もこだわる人の多いポイントだ。
進学先決定後、入学までの短い期間で、しかも遠方から不動産会社とやりとりをしなければならない「新入生」の部屋探しは、100%満足できる部屋を見つけようとしても難しい。条件にぴったりの部屋が見つかったとしても、住んでみて初めて分かる不満要素もつきものともいえる。
とはいえ、いつでも住み替えられるのが賃貸住宅のいいところ。例えば2年後の更新の時期には、子どもも新しい環境に慣れ、どんな住まいが自分に合っているのかも分かってくる頃。そのタイミングで引越しを検討するのもいいのかもしれない……というくらいの気持ちで探せば、納得のいく部屋探しも夢ではないだろう。
ここで紹介した先輩たちの「妥協ポイント」「譲ったポイント」を参考にしつつ、希望条件に優先順位をつけて、入居後の不満を最小限に抑えよう。
学生のためのお部屋探し応援サイト|SUUMO(スーモ)学生版