子どもの進学に伴って部屋を借りるということは、「遠方での部屋探し」は避けて通れない道。ほとんどの保護者が、遠方ゆえの苦労を経験していると言っていいようだ。
そこで、実際に遠方での子どもの部屋探しを経験した保護者の皆さんにインタビュー。困ったことは? 大変だったことは? その解決策を紹介していこう。
「子どもの部屋探し」で困ったこと・大変だったことを保護者に聞くと、よく挙げられるのが「遠くて現地になかなか行けない」「現地の地理感覚が分からない」などといった声。SUUMOの保護者インタビューでは、こんなエピソードが寄せられている。
「学校の近くで探そうといろいろ調べましたが、現地の土地勘がまったくなくて、不安ばかりが増していきました。現地の知り合いは姪っ子だけだったので、姪っ子の住んでいるところの近くでと思い、結局姪っ子に相談して話を進めました」(Tさん)
「現地には何度も行けないので、不動産会社が提案する少ない候補物件の中から決めなければなりませんでした。そのため、希望に合う物件がなかなか見つからないし、条件にこだわると家賃が高くなってしまうので、困りました」(Yさん)
「志望校がある現地ではなく、近くの会場での受験だったため、試験当日も現地に行くことはありませんでした。現地は遠くて旅費もかかるため、インターネットの情報だけで部屋を決めたかったのですが、不動産会社の方には『見てから決めてほしい』と言われ、親戚に見てもらうことに。親戚がいたから任せられましたが、部屋探しのためだけには遠すぎてとても行けないと思いました」(Nさん)
つまり、現地が「遠い」と時間もお金もかかるため、「何度も行けない」。すると、見に行ける日に案内してもらえる物件の中から選ぶことになり、「選択肢が限られる」。さらに、「土地勘がない」と地名や駅名を聞いてもイメージしにくく、学校までの距離やアクセスのしやすさ、暮らしやすさなども分からないため、判断に迷ってしまう、ということに陥りがちだ。
こうした状況のなかで、よりスムーズに、より安心して部屋探しをするにはどうすればよいのか、次の章で解説していこう。
部屋探しは、実際に見たうえで決めるのが基本。だが、事前にインターネットでしっかりと情報収集をして、候補の物件を絞り込めれば、現地に行くのは候補の物件を案内してもらうときだけでOK。
下記を参考に、事前準備をしよう。
子どもの進学先が土地勘のないエリアだったとしても、エリアの全貌まで調べなくて大丈夫。進学先の学校近辺、または通学しやすい沿線周辺に的を絞り、集中的に調べるだけでも、子どもを住ませたい希望エリアが分かってくるだろう。
進学先の周辺の物件情報を見てみよう。以下の「大学名検索」を活用するのも便利。進学先の大学名を入力すると、その周辺にある物件情報がすぐに分かる。
興味のある沿線・駅が絞れてきたら、不動産会社に聞いてみよう。その沿線や駅周辺の物件情報を多く持っている不動産会社などに、どんな雰囲気の街なのか、暮らしやすさや学校からのアクセスはどうか、ほかにおすすめのエリアはあるかなどを確認。こうしたやりとりを通じて、相談しやすい不動産会社かどうかなどを確かめられるのもメリットだ。
大学によっては、部屋探しの相談窓口があるところも。実際に同じ大学の先輩学生が多く住んでいる物件を紹介してもらえるなど、不動産会社では得られない情報も入手できることがあるので、窓口があれば相談してみよう。
部屋探しに使える日数が少なく、現地を見学できる日時も限られてしまうと、検討できる物件の選択肢は限られてしまいがち。そんな場合は、相談する不動産会社の数を増やしてみるのも方法のひとつだ。
希望条件を緩めると、選択肢は広がる。例えば希望の駅の隣もOKにしてみる、駅からの所要時間の条件を少し伸ばしてみる、築年数を希望より少し増やしてみるなど、条件を緩めて探してみよう。
不動産会社によって持っている情報の数や内容が違うこともあるが、それだけではない。例えばA社が「この物件は条件に合わないからダメだろう」と案内しなかった物件を、B社が「条件には合わないけれど、この点だけ妥協してもらえば大丈夫だ」と案内してくれる、などといったケースも。1社だけではなく、複数の不動産会社に問い合わせてみよう。
現地が日帰りでは行けない場所など、現地見学に行けないケースもある。そんなときは不動産会社に協力してもらおう。
インターネットに掲載されている写真のほかにも、不動産会社では写真を持っていることがある。興味のある物件があったら、ほかの写真がないかどうか聞いてみよう。不動産会社や物件によっては、写真を撮って送ってもらえることもあるので相談してみよう。
インターネットに掲載されている以外の情報も、気になる部分は個別に聞いてみよう。例えば自転車でラクに通学できる道のりか、スーパーやコンビニは近くにあるかなど、メールや電話でやりとりをして教えてもらおう。
動線や空間的な広がりを確認するには動画が便利。SUUMOでは部屋の様子を動画で確認できる物件もある。こちらもチェックしてみよう。
遠方での部屋探しは大変!という経験者の声も多いが、インターネットなどを上手に活用したり、不動産会社とうまくコミュニケーションをとることができれば、効率よく部屋探しをすることができる。現地へ行けない場合でも、希望に近い部屋を見つけられる可能性も高まるのではないだろうか。次の記事では最短で部屋探しをするためのポイントを解説するので参考にしよう。
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